10月に入り、秋の深まりを感じる頃となりました。色づく木の葉や地面に重なり合う落ち葉、木の実などを目にすると、ついつい思い出してしまう歌があります。
♪どんぐりころころ どんぶりこ お池にはまって
さあたいへん どじょうが出てきて こんにちは 坊ちゃんいっしょに 遊びましょう
♪どんぐりころころ よろこんで しばらくいっしょに遊んだが やっぱりお山が恋しいと 泣いてはどじょうを 困らせた
青木存義さん作詞の「どんぐりころころ」の歌詞ですが、青木さんの生誕の地が松島町であることをみなさんご存じでしたでしょうか?
私、宮城に住んで5年目になりますが、恥ずかしながらこの事実を、つい最近まで知りませんでした。自分が住んでいる地で生まれた方が、この歌詞を作ったのかと思うと、『どんぐりころころ』への親近感が湧いてきます。
保育所や幼稚園では、『秋のうた』として、必ずと言ってもよいくらい歌われている曲ですよね。
今頃、実習へ出かけている学生たちも、この歌をうたっているのでしょうか。
子どもたちと歌っていると、「♪どんぐりころころどんぐりこ」と歌う声も聞こえてきますが、正しくは「どんぶりこ」なんですよね(意外と大人になってから、この部分を間違って歌っていたことに気づく方もいるようですが、みなさんの中にハッとされた方はいらっしゃいませんか)。 もともとこの歌は二番までで、どんぐりが泣いたままの状態で歌が終わるという、ちょっと可哀想な状況なのですが、調べてみると、幻の三番というものが世の中に広まっているようです。 その一例として、「どんぐりころころの碑」がある松島町立第五小学校(青木存義さん生誕地)では、こんな内容で歌われているそうです。 ♪どんぐりころころ 泣いてたら 仲良しこりすがとんできて 落ち葉にくるんで おんぶして 急いでお山につれてった♪
一説には、二番までの作詞を手掛けた青木さんは、あえて三番を作らなかったともされており、子どもたちの豊かな発想力で、続きの歌詞を作って欲しいという願いが込められているようなのです。それらを知ると、この歌の詞が、まるで絵本を見ているかのように、情景がパッと思い浮かぶ内容になっていることにも納得がいってしまいます。
コロナ禍により、外出をためらいがちな世の中になっておりますが、たまには外の空気を吸いながら散策しつつ、どんぐり探しなどをしてみるのも良いリフレッシュになるかもしれませんね。
学科研究室 堀越
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